札幌市・函館市の介護施設|医療と介護の融合を実現する白ゆりグループ「メディカルシャトー」

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スタッフのつぶやき

2023.06.20私生活について

私にできること

ショートステイ白ゆり乃木

橋本 文子

 

昔、青年海外協力隊として中南米の小さな町の小児科病棟で
看護師として働いていたことがあります。
最初は働かない医師や同僚や薬剤師に閉口しました。

 

入院してくる子供たちはほとんどが栄養失調です。
だから点滴が必要なのですが、誰も出勤して来ないので、
走り回って、やっと薬を手に入れて病棟に戻ると子供はもう死んでいました。
小さい赤ちゃんが来たら、
夜風に当てないよう部屋に入れるよう言っていたのに、
朝行くと玄関に寝かせられ、冷たくなって死んでいました。

 

医療も受けれず子供達が死んでいくのです。

 

ちょうど1年目にある子供が入院してきました。
その子は土を食べて腸閉塞を起こしていました。
私は「どうして土なんか食べるんだよ!」と怒鳴ると、
回りにいた大人たちがサラリと答えました。

 

「腹ペコだからさ」
私はその時に貧しいということの本当の意味を知りました。

 

私は今までの金持ち地区の安全な下宿を出て、
治安の悪い貧しい地区へ下宿を移しました。
電気もないので外で涼んでいると必ず、
隣のおばあちゃんがいつも隣に座ってくれました。
「私にできることはそばにいるだけ」
と言ってくれました。

 

同僚はいつもレモンジュースを家に持ってきてくれました。
病棟で子供がまた死んで悲しすぎて泣いていると、
全員のママが私の肩を抱きに来てくれました。

 

私はいつも一人じゃなかった。
いつもみんなが私に寄り添ってくれていました。

 

いまの私にできることもそれだけかなと思います。
いつも利用者様に寄り添っていきたいと思います。