札幌市・函館市の介護施設|医療と介護の融合を実現する白ゆりグループ「メディカルシャトー」

  • 札幌地区

    011-899-1188

  • 函館地区

    0138-34-3231

スタッフのつぶやき

2023.02.20私生活について

タイムリープ

ショートステイ白ゆり北20条

蓑谷 果歩

 

先日友人と、
“過去の自分に今の自分の意識が移動する”
タイムリープが主題の映画「時をかける少女」の話をしたときに、
タイムリープできるとしたらどんな時に戻りたいか、
お互いに言い合った。
友人はこの映画のように、何か失敗をする前に戻りたいと言った。
確かにそれができれば失敗したあとの悲しい気持ちを味わわずに済む。
私は、美味しい物を食べている瞬間に
何回も戻って永遠に食べ続けたいと言った。
がめついねと笑われた。

 

家に帰って、友人が言っていた「失敗する前に戻る」ことができるとしたら、
私の場合はどの時に戻ろうか真剣に考えた。

 

高校生の頃、常に勉強をサボって好きな漫画ばかり読んで、
試験の点数もパッとしなかった。
あの頃に戻ってきちんと勉強したい。
良い大学に入って親に喜んでもらいたい。
しかし、もし違う大学に入っていたら、
タイムリープの話をした友人とは出会えなかったことになる。
この友人は10年程仲良くしてくれている大切な友人で、かけがえのない存在だ。
出会えないのは絶対に嫌だ。

 

大学生の頃、看護学実習で何度も失敗し、
記録すらも上手く書けずに苦労した。
家で記録を書いている途中で仮眠しようとソファに横になり、
朝までぐっすり眠ってしまうのは日常茶飯事。
結局家を出る直前まで記録に追われ、
フラフラの状態になりながら遠い病院まで電車で実習に行っていた。
実習先を選ぶことは生徒側で出来なかったため、
北海道を離れ東京まで実習に行っていた時もある。
今までの人生で辛かった時期ランキング上位に入る。
でも、今は何か辛い出来事があったとき
「あの頃よりはマシかもなぁ」と思える材料になった。

 

看護師になってからも勿論失敗はしてきた。
失敗するたびに消えてしまいたくなり、
「あの時こうしておけばよかった」と何度も後悔してきた。
同じ失敗をしないようにと、
今でも頭に失敗した経験が呪文のように刻印されているような気がする。

 

失敗と思っていた出来事も見方を変えれば良い経験、
通るべき大切な試練だったと思えてくる。
そうなると、やっぱり美味しいものを食べている瞬間に
時を戻したほうがいいのかもしれない。

 

一度だけ時を戻せるとしたら、
高校生の時、修学旅行中に仲間と行った「おかる」という
京都にあるカレーうどんのお店に行きたい。
あの時何も下調べしていない状況で、
現地のタクシー運転手さんにお勧めのお店を聞いてたどり着いた記憶がある。
生きているうちにもう一度行きたい、
そう思えるほど本当に美味しいカレーうどんだった。
でも、きっとあの仲間と楽しく食べたからそう思えたのだろう。

 

色々書き連ねたが、結局時間を戻すことは絶対にできない。
できないが、ふと振り返り、
あの時に戻りたいと思えるほど豊かで充実した人生を送りたい。