札幌市・函館市の介護施設|医療と介護の融合を実現する白ゆりグループ「メディカルシャトー」

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スタッフのつぶやき

2019.09.01お仕事について

在宅リハビリの強みは…?

訪問看護リハビリステーション白ゆり北20条出張所
本間 一樹

 

【失ったものを数えるな、残されたものを生かせ】

 

これはパラリンピックの父と称されるグットマン医師の言葉で、障害との共生・乗り越えることを説いている。
僕は養成校で、この言葉と共にリハビリの対象は”疾患”ではなく”障害”であると教わり、リハビリは障害と共に生きるすべを学ぶ分野だと言われ、強く心に残っていた。

 

先日放送されていたドラマでは、車椅子の主人公が建築士として働いていた。
障害のある人が普通と同じように生活し働く、、、これはノーマライゼーションの理念だが、車椅子目線での建築は、健常者では気づけない部分に気づけたりと、時に障害は強みになり、ノーマルを超えうるのだと感じさせられた。
パラスポーツなども、障害と向き合う・乗り越えるという例で特に分かりやすいと思う。

 

しかし実際の臨床現場ではどうか。
グットマン氏の理念は目指すところではあるが、何より難しい理想論なのだと実感する。

 

基本的に希望が大きかった人ほど障害を負った時の絶望も大きく、受容はしがたい、それを「数えるな」と言われたところで、すぐに前を向ける人はそう多くない。
また一口に受容といっても多彩で、「もうどうでもいいや…」と自分に興味をなくす形の受容もありうると思う。
前を向くのには何年もかかるかもしれないし、何年かかっても出来ないかもしれない。

 

しかし、その歳月に関わりを持てるのが、訪問看護など在宅の分野だと思う。
訪問看護は短期的には点での関わりだが、長期的に見たその関わりは線になりうる。
親よりも長い時間を共有するかもしれない、目の前のその人や家族に寄り添い、一緒に悩める、その時間そのものが在宅分野の強みだと考える。