札幌市・函館市の介護施設|医療と介護の融合を実現する白ゆりグループ「メディカルシャトー」

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スタッフのつぶやき

2019.02.01私生活について

「きっかけは母と過ごした四年間。」

ショートステイ白ゆり美原

荒木 沙耶架

 

私が中学二年生の頃、母は末期の胃癌を患い約四年間に亘る闘病生活を送っていました。その母が介護士になるきっかけを私にくれたのです。

 

きっかけは、母のある一つの頼み事でした。その頃の母は癌の転移が見つかり、以前よりも人の助けが必要な状態でした。

その時、母は「頭痒いから頭洗ってくれる?」と私に頼み事をしました。人の髪を洗った事が無かった私は内心焦っていました。

とりあえず自分の思った通りに洗髪をしてみましたが、お湯の出始めの水を掛けたり、洗い残しがあったりとお世辞にも良い洗髪とは言えませんでした。

それでも母は「ああ、すっきりした。ありがとね」と嬉しそうに言ったのです。

この日から、母は洗髪や歩行の付き添い、清拭、更衣、食事の補助等も頼むようになりました。そしていつも一言「今日沙耶架が来てくれて良かった」と嬉しそうに言いました。

私にも母にしてあげられる事はあるのだと気付き、それが介護に進むきっかけとなりました。

 

母に介護の道へ進みたいと話すと、「やっぱりお母さんの子だね。お母さんも前に介護の仕事してたから、少しくらいなら教えてあげられるよ」と言った後、「良い介護士になっていつかお母さんの事も介護してね」と笑顔で言いました。

その約半年後に母は他界しました。そこで初めてエンゼルケアに携わり、母に最後の洗髪をしてあげました。

その時に看護師の方が「お母さんね、最近入浴の日になると『今日娘が来て頭洗ってくれるので体だけ洗って下さい』って言ってたらしいの。よほど楽しみにしてたのね。きっとお母さん今頃喜んでるよ。」と私に話してくれたのです。

それを聞いた私は泣かずには居られませんでした。

一人では出来ない事を私が手伝う事で喜んでくれる人が居るんだ。なら私はその人達の為に手を差し伸べたい。

そう思えたのは母のおかげなのでとても感謝しています。

 

母と過ごした日々は私の宝物です。