札幌市・函館市の介護施設|医療と介護の融合を実現する白ゆりグループ「メディカルシャトー」

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スタッフのつぶやき

2018.04.01私生活について

旅立ち

ケアプランセンター白ゆり北20条 長内 容子

 

31年間、生活を共にしてきた次男が私の元を巣立ち、一人暮らしを始めることになった。

一人で十分生活していける息子ではあったがギリギリまで自立への一歩を踏みとどまっていたのは息子の優しさだったと思っている。

 

荷作りをしながらアルバムや思い出の数々を整理し、息子の幼い日々に思いを馳せていた。テニスに明け暮れていた高校時代、3年生最後の試合に負けた日は私の前で一人、泣き崩れた息子に「よくここまで部長として頑張ったね」と心の中で息子のことを褒めていたのに言葉にすることもできなかった。医療職を目指していたが受験先の不合格通知に納得できず、再受験させてほしいと言われたときは親として初めて意見がぶつかり、これ以上挫折を経験する姿を見たくないために口論したことも今では良き思い出になって甦る。

 

息子の力を信じ、共に悩み、常に彼の決断を受け入れて応援してきたつもりだった。
親として未熟であった日々も後悔も私が成長していくために息子がプレゼントしてくれた出来事だったと感じる。
今、医療職の道を臨床の現場で歩み続けている息子はその繊細な感受性を活かし、患者さんの為に努力を重ねているだろうと信じている。

 

そんな心強き、息子に支えられ続けてきた31年間だったのだ。長男が巣立つときは目の前で号泣してしまい、情けない母親だったので次男の時は笑顔で送り出すと心に決めていたのだ。その誓いは何とか達成できたが息子の転居先からの帰りの車の中で止まらない涙を流していたのはいつまでたっても変われない私だった。

 

息子よ、これからも年老いていく頼りない母のことを宜しくお願いします。