2018.04.01お仕事について
新しいフィールドで
白ゆり富岡 佐藤康代
私は、長年、終末期看護に携わり、多くの患者さんや家族と関わる中で、記憶に残る目に見えないギフトを沢山受け取りました。
母親も私が働いていた病棟で看取りました。
終末期看護は、全人的ケアと言われ、身体的のみならず、精神的、社会的、霊的など複数の痛みをケアするものです。この仕事が適職と感じていた私は、そこで最後まで働き続ける事が母との約束でした。
しかし、その後、父の認知症が進行し、病院での仕事が難しくなってきました。葛藤の末、結局、退職しました。
そうして、半年あまり過ぎたあと、縁あって白ゆりで働くことになりました。
施設看護の仕事に確たるイメージがないままのスタートでしたが、働き続けるうちに、高齢者看護はまさに緩和ケアと多くの共通点があることに気付きました。それを裏付ける様に、スウエーデンでは、20年以上も前から認知症ケアに緩和ケアを取り入れた教育、啓蒙活動が行われていることを最近知りました。
母との約束は叶いませんでしたが、新たなフィールドで、自分の得意とする看護をこれからも継続してゆきたいと思います。